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Diagram series Op.2 No.1-2  Acrylic

H1455 × W1120 × D63 mm/H727 × W606 × D63 mm /2022.7

僕の作家人生において、日本の象徴たる美意識、侘び寂びの美意識は必然的なものである。

 

“侘び"と"錆び"にそれぞれが独立した意味を持ち、日本人なら大抵"曖昧なそれ"を幼少期から体感してきたはずだ。

 

わびとは物事面における不足や欠如、欠乏、不自由を肯定し、簡素で静寂を楽しむ。すなわち場所や道具に左右されぬ精神的なものを重視する考え。

 

さびは古くなる、色あせる、錆びる。という時間の流れによる劣化や生命力がなくなっていく様子を表し、その錆びゆく心さえ美と捉える考えである。

 

つまりは、静寂な中に奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさをいう。

 

そしてその美意識を建築から学んだ僕にとっては、日本における『間』という捉え方も、芸術家である前から重要視していました。

 

次元の壁をも超えたこれらの具現性の無い奥ゆかしさをあえて言葉で表現するならば、物質や言葉に依存する事のない『無音の芸術』である。

 

宇宙という漢字がそれぞれが空間と時間の意味を持つように、『間』の概念にもそれに共通するものがある。

 

実態がなく、それ故に捉えづらいものでありながら、さらには複数の意味を持つ。空間、間隔、余白、隙間、余韻、空白、時間。

 

具現性のないこの感覚を表現するには、時に無意味という意味すらも肯定した美しく静止する絵であればいい。

 

芸術が必ずしも主役である必要はなく、意図的な理解を排除することこそが芸術の真の解放と考え、これをWabisabismと提唱した。